Love nest~盲愛~
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(数日前)
とある病院の一室。
19時過ぎにいつも病室を訪れる人物がいる。
病院の夕食を摂り終えた頃を見計らって面会に訪れているのだが……。
「好子、具合はどうだ………ぃ……、御影さん」
「お久しぶりです、白川さん」
「何故、ここに……」
「それは、貴方の方がよくご存じなのでは?」
白川の妻である好子は脳腫瘍を患い、入院中である。
そのことに目を付けた西賀 孝之が母親と結託して根回しし、入院費と手術費などを出す代わりに密偵として働きかけるように指示したのだ。
当然、哲平もこのことは知っていて、手を打とうとしたのだが、西賀に先を越されてしまい、下手に動けない状態に陥った。
そこへ救いの手を差し伸べたのが、哲平の後ろ盾である御影 京夜。
西賀の息のかかる病院であろうが、施設であろうが、関係ない。
下手したら、病院丸ごと買い上げる力も持っているのだから。
「奥様の転院手続きを私の方でさせて貰いました」
「えっ、……ですが」
「奥様の治療を最高の医師団に任せた方が宜しいのでは?」
「それは……」
「タダで、とは言いません。条件があります」
「………はい」
「今後は、私の指示に従って貰います。……宜しいですか?」
「………」
「勿論、治療費、手術費、それ以外にかかる費用に関しても、ご心配には及びませんので」
「あなた、……お願いだから、西賀とは手を切ってちょうだい」
白川の妻に事情を説明済みのようで、青白い顔で懇願する。
「ご承諾頂けるなら、今夜にも西賀にバレないように移す手筈が整ってます」
「………では、お願いします」
「賢明なご判断です」
御影はすぐさまスマホでどこかへ連絡を入れた。