Love nest~盲愛~

彼との未来が幸せで満ち溢れている。

彼は魔法使いなのか。

私がしたいと思ってることをいつでもしてくれる。

昔からそうだけど、彼はいつになっても白馬に乗った王子様だ。

**

翌日。

彼の父親の会社だった『ミサキコーポレーション』の社長に就任した彼。

就任披露のパーティーの席で、妻として私を紹介してくれた。

古株の社員は、彼の父親の下で働いていた人も多く、彼の就任をとても歓迎してくれた。

というのも、西賀の会社経営はえげつない手法で、ブラック企業すれすれな事業展開をしていたらしい。

彼の就任と共に、会社経営に携わる役員が一掃され、西賀の息がかかる人材は皆無となった。

そして、現在彼が経営する会社の傘下に『ミサキコーポレーション』も入り、経営方針も一新された。



「えな、大丈夫か?」

「あ、はい。……履き慣れないとダメですね」


10センチ近いピンヒールを履いていた事で軽い捻挫状態に陥ってしまった。


「佐川」

「はい」

「後は頼む」

「了解です」

「きゃっ……」


彼の秘書の佐川さんをその場に残し、彼は私を抱え上げた。

イケメン社長が妻をお姫様抱っこすれば、注目の的。

周りからキャーッと悲鳴に似た女性の声が聞こえて来る。

恥ずかしさのあまり、彼の胸に顔を埋めて……。


「もう少し太れ」

「ふぇっ?」

「痩せすぎだ」

「結構食べてますよ?」

「あんなの、食べた内に入らないだろ」

「っ……」


不敵に微笑んだ彼は、エレベーターの中でチュッと額にキスを落とす。

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