Love nest~盲愛~

あくる日。

午後に彼と待ち合わせをして大学を訪れた。

2年ぶりに訪れたキャンパスは何一つ変わってなくて、懐かしさを覚えた。

窓口で手続きの説明を受けている間に、彼は隣でスマホを眺めている。

仕事のメールでも来たのかもしれない。

忙しい中、付き合ってくれる優しい旦那様。

私には勿体ないほどの人だ。


「では、支払い期日までにお振込み頂き、必要書類を提出頂ければ、追って試験日を通知致しますので」

「あ、はい、分かりました」

「支払いは先ほど済ませたので、お手隙の際にご確認下さい」

「えっ」

「はい?」


大学の事務局の方と目が合ってしまった。

私の隣で彼が私の手元から書類を抜き取ったのは知ってるけれど。

カリキュラムとか書かれているものかと思ったら……。

さっきのスマホ操作は、送金手続きをしていた……らしい。


「えな、行くぞ」

「あ、はい。では、宜しくお願いしますっ」


長いストライドで歩く彼を追いかけると、建物から出た所で女子大学生が哲平さんに熱い視線を向け、見惚れている。

そんな彼に駆け寄り、腕に腕を絡ませる。


「どうした?」

「周りの視線を気にして下さいっ」

「フッ、俺はお前しか眼中にない」

「それでもっ」

「この場で服、脱がすぞ」

「ッ?!……何故に?」


彼は突然、想像を遥かに超えることを口にする。

常軌を逸してると思ってるけれど、これが彼の常識なのだとすれば、もれなく私も常軌を逸した人になる?

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