Love nest~盲愛~

規律よく寝息を立てていて、程よくムスクの香りを纏うベッドにそ~っと潜り込んで。

私とは反対側に向いて寝ている彼の背中にぴとっと張り付いた。

温かい。

程よく付いた筋肉質の体を拘束するみたいに腕を絡ませ、背中にすり寄った、その時。

ビクッと彼の体が震え、お腹に回した腕を掴まれてしまった。

そして、ゆっくりと寝返った彼。

布団に埋もれる私を確認して、大きな溜息を吐いた。


「びっくりするだろ」


私以外に布団に潜り込む人でもいるのだろうか?

不意に脳裏に不安が過る。


「私以外の誰かを待ってたんですか?」

「馬鹿なこと言うな。霊か何かかと思った」

「フフッ、哲平さんでもそういう発想するんですね」

「いいだろ、別に」


ほんの少し照れたような仕草を見せる彼が可愛らしく見えた。


「寂しくなったのか?」

「はい」

「フッ、可愛いやつだな」

「哲平さん」

「ん?」

「どうして一緒に寝てくれないんですか?」

「どういう意味だ」

「夫婦なら、毎日一緒に寝ても問題ないですよね?」

「愚問だ」

「では、何故、毎日誘ってくれないんですか?」

「………嫌じゃないのか?」

「全然っ、むしろ毎日一緒に寝たいですっ」

「っ……、えな」

「はい?」

「今の言葉、取り消せないからな?」

「何をです?」


彼の長い腕が私の体を包み込んだ。

そして、骨ばった指先が顎を持ち上げ、常夜灯の薄暗い灯りの中、彼のハンパない色気の瞳に吸い込まれる。


「嫌だと言ってももう遅いぞ」

「だから、………って、えっ?」

「毎晩、俺の腕の中で寝ろ」

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