Love nest~盲愛~
「哲平さんっ」
「ん?」
「質問、していいですか?」
「ん、何でも聞け」
聞きたい事は山ほどある。
けれど、その中でも一番最初に聞きたいのは……。
「この家、私が描いた絵の家ですか?」
「ん」
「えっ、やっぱりそうなんですか?」
「思い出したのか?」
「あ、いえ。……書庫に私が描いた絵がファイルされてて、それを見つけたんです」
「あぁ~あれか」
「でも、何で?」
「フッ、覚えてないのも罪だな」
「えっ?………私、何か言ったんですか?」
「ん」
え、えっ、どういうこと?
そりゃあ、描いた絵に妄想を膨らませて、おとぎ話みたいに作り話するのが好きだったけれど。
あの絵にどんなストーリーを付けたのか、記憶にない。
「えな」
「……はい」
「この前、言っただろ。プロポーズもえなが先にしたって話」
「あ、……ありましたね」
「この家がそれなんだけど」
「……………え?」
どういうこと?
家がプロポーズ?
私がしたんだから、何て言ったんだろう?
「私、何てプロポーズしたんですか?」
ぎゅっと抱き締められる彼の腕の中で記憶を手繰り寄せてみたが、皆目見当もつかない。
けれど、『えなとみさきおにいちゃんのいえ』と題されてたから……。
「この絵とそっくり同じ家に住めるなら、ずっとみさきお兄ちゃんだけのお姫様になってあげるって」
「っ………お、おおお恐ろしいぃ……」
「可愛いだろっ」
「どこがですか!」
「あの時、いやそれよりずっと前からか。……俺にはえなしか見えてない」