Love nest~盲愛~
エスコートされ通されたのは、2階の1番東の部屋。
ホワイトとアリスブルーを基調とした清潔感のある部屋。
飾り彫りの施された大きなドレッサーとその横に同じデザインのクローゼット。
そして、部屋の奥へ歩み進めると、大きなベッドがある。
それを目にして、一瞬で現実へと引き戻された。
もしかして、あのベッドで?
竦む足をかたどるように、頬が引き攣ってしまうと。
「ここは、お前の部屋だ」
「へ?」
「お前が言ってた“庭付きの家”だが、気に入らないか?」
「……………ッ?!」
男は口角をキュッと上げ、不敵に微笑む。
「俺の望むモノと等価交換をするんだろ?」
「っ……!!」
ニヒルな笑みを浮かべる彼は、私の身体を目の前のベッドへと押し出した。
当然、体勢を崩した私はベッドへと倒れ込んで……。
パサッと柔らかい布団の感触と。
爽やかな花の香りが鼻腔を擽り。
それと同時に私の身体がベッドの中央に沈み込んだ。
思わず両手を着いて体勢を整えようとすると。
ギッとスプリングの音を立てて、更に身体が沈み込む。
私の身体を覆うように長い腕が伸びて来て、微かに煙草の香りが鼻腔を掠めた。
獰猛な猛獣に一撃必殺とばかりに捕らえられてしまった私。
一瞬の隙に断崖絶壁に立たせられている。
この状況下でする事と言えば………。
どこからともなく身体が震え出すと。