Love nest~盲愛~
一旦ジャケットを自室へ置きに行き、私は1階へ舞い戻った。
すると何故か、愛らしい刺繍が施された白いエプロンを手渡された。
「形から入るのも大事な事ですよ」
「………そうですね」
私には断る理由が思いつかなかった。
その昔幼い頃に、同じような愛らしいエプロンをして、使用人さんの真似をしたっけ。
母親がいなかった私の傍にいつもいてくれたのは、優しい使用人のお姉さん達。
いつも凛としていて、私の憧れだった。
そんな日々を思い出しながら、私はテーブルフラワーを担当した。
今夜の食事は、彼の好物のフレンチらしい。
久々の晩餐とあって、シェフが腕を揮うという。
だから私は、ホリゾンタルアレンジにする事にした。
中央のオアシスに前後左右にグリーンのレザーファンを挿し、アウトラインを横長の菱形に整えた。
そして、その隙間にも形に沿うようにレザーファンを散りばめて。
それから、その上を華やかに彩るように薄紫を基調とした薔薇と桔梗等でアウトラインを整えた。
最後にガーベラとラベンダーで愛らしさをプラスして。
「えな様が生けて下さったお陰で、いつもより素敵なテーブルになりました」
「そんな、とんでもないです……」
プロ意識の高い皆さんが生けた方が綺麗で華やかに決まっている。
今井さんのお世辞だと解っていても、それでも褒められると嬉しいものね。
誰かに認めて貰えるだなんて、何か月ぶりかしら。
上機嫌で後片付けをしていると、