Love nest~盲愛~
ドレスアップした私は早鐘を打つ胸に手を当てながら、ゆっくりと1階へと向かった。
私の姿を見つけた今井さんは、すぐさま駆け寄って来て……。
「まぁ!えな様、とてもお似合いですよ~。今宵は素敵な夜になる事でしょう」
彼女の言葉にほんの少し心の足枷が外れた気がした。
自分で選んだ服が他人の目にどう映るのか、本当は心配でならなかった。
勿論お世辞だと解っていても、好意的な彼女の言葉にほんの少し勇気が湧いた。
あの人に気に入られる為には、最低でも今井さんの印象が良くないと……と。
今井さんに柔らかい笑みを浮かべた、その時。
「若のお帰りです!!」
玄関ホールの方から奥村さんの声が響いた。
すると、今井さんと数人の使用人さんが玄関ホールへと向かう。
「えな様っ、ご一緒にお出迎え下さいませ!」
「あっ、はい!」
他人事のように見守っていた私だったが、彼女の言葉に反応する。
あの人をきちんとお出迎えしないと。
私も皆に倣って、急ぎ足でホールへと。
黒塗りの高級外車がゆっくりとエントランスに到着した。
優雅な所作で後部座席のドアを開ける白川さん。
「お疲れ様でした」
深々と腰を折る白川さんの横に、濃紺のスーツを身に纏った彼が姿を現した。
「お帰りなさいませ、若」
「お帰りなさいませ、坊ちゃま」
奥村さんと今井さんが丁寧にお辞儀する隣りで、私もまた深々とお辞儀をすると、