Love nest~盲愛~
「1時間後に部屋に来い」
「ッ?!………はい」
彼は振り返る事無く、扉の向こうに姿を消した。
………1時間後。
私を呼び寄せる理由って……?
そんな事、考えなくても決まってる。
21時過ぎ、いい大人の男女が部屋の中でする事と言えば……。
私は震え出す足で自室の中へ急いだ。
1時間しかない。
私に出来る事なんて、たかが知れてる。
自分に言い聞かせるように深呼吸して、チェストを開けた。
お風呂上がりに着るべき服って?
やっぱりそれなりの恰好よね?
アリスブルーのチェストの中には、沢山の服が用意されている。
私が持参した服なんて、ほんの一部に過ぎない。
私は悩みあぐねた結果、淡い桜色のランジェリーをチョイスした。
そしてその上に着るのは、小花柄のギュピールレースがふんだんにあしらわれたシルクのナイティドレス。
スカート部分にはジャガードストライプが施されており、可憐と上品さを兼ね備えた品。
そして最後に、ガウンを羽織れば……。
納得しているし、自覚もしている。
………私はあの人の玩具なのだと。
心に蓋をして、私はバスルームへと向かった。
体を隅々まで磨き上げ、髪をしっかりと乾かした。
化粧はほんのり上品メイクにし直して……。
ドレッサーに用意してある鈴蘭の香水をほんの少しだけ……。
『幸福を呼ぶ花』と言われている鈴蘭。
今の私には、藁をも掴む思いで気分を落ち着かせていた。
そして、震えが止まらぬ足で彼の部屋へと。
ゆっくりと深呼吸して、ドアを3回ノックすると……。