Love nest~盲愛~
真っ白い大きなベッド。
綺麗にベッドメイクされており、これから起こるであろう出来事を予兆させる。
私の左胸からは警告音が鳴り響いている。
全身の血液が物凄い速さで巡っているように……。
震えが止まらぬ足でゆっくりと歩み進めた。
ベッドの中に入る前にガウンを脱ごうとすると、
「そのままでいい。そこへ横になれ」
「……………はい」
彼の声に振り返る事が出来なかった。
だって彼の顔を見てしまったら、それこそ決意が揺らぎそうで……。
私は彼に気付かれないように静かに深呼吸した。
そして、掛布団の端をそっと持ち、静かに捲ろうとすると、
「ッ?!」
突然真横に現れた彼に手首を掴まれた。
「フッ、意外と大胆なんだな」
「へっ?」
嘲笑うような声音が耳元に届く。
その声さえも私を平静でいられなくする。
身体中にジンと甘い疼きを与えるような心地良いバリトンボイス。
まるで悪魔の囁きのようで、恐怖なのにもかかわらず、思考まで削いでゆく。
彼が何を言っているのか。
私が何か間違った事をしたのか。
そんな事1つ考える思考さえ、正常に働かなくて……。
からくり人形のようにぎこちなく彼の方に顔を向けると、
「キャッ!!」
突然身体に軽い衝撃を受け、次の瞬間には柔らかい布地に包まれた。
ムスクの香りを纏うベッド。
最高級であろう掛布団は、肌触りも柔らかくて心地いい。
けれど、これって………。
ゆっくりと瞼を押し上げると、口角を上げ目元を細めた彼がゆっくりと私に覆い被さって来た。