yellow ribbon

「大丈夫だから！」

「なにが」

「小枝くんの友達と仲良くなったり、小枝くんに馴れ馴れしく話しかけたりしないから！」


だから安心して、と最後までは言わせて貰えなかった。

夏樹くんが急に私の肩を壁に押し付けたから。


「うるせえ」


低い声で一言そう呟くと、私の肩を掴む手に力が入る。


「なにが大丈夫だ？なにが小枝くんだ？」


それは独り言のようにも聞こえて、私の頭は混乱した。

どうして？
怒らせるつもりなんかなくて。
むしろ安心して欲しかったのに。

…これ以上うざいと思われたくなくて。


「お前…本当何も分かってない」

「…え」

「バカ女」



その言葉を最後に、肩を掴んでいた手を離して背を向け行ってしまった。