君と想い出をもう一度
「ラルムさん、良いですよ私は」

ミュウの境遇とラルムの身分やこの国についてのことを余すことなく話しておいたので、理解の速いミュウは状況を察したらしい。


「お前は良いかもしれないが、俺が心配なんだよ」

眉を寄せて尚も考え続ける。


「では、伝令を頼みましょう」

ミュウがにっこり微笑んだ。

教えてくれた男は二人の世界に浸りだしたことに業を煮やし足早に立ち去ってしまった。


「伝令か…しかし情報が漏れたら困る」

元のミュウなら、という考えが頭を過ったことを振り払うかのように頭を振る。

「大丈夫です」

ミュウが目を閉じ、フーッと息を吹いた。

キラキラと光る金色の結晶が形造られる。

「我の真実、汝に託せり」
結晶に今しがた見た映像が映し出され、消えた。


消えたのを確認して隣を見ると、ラルムが目を丸くしてミュウを見つめている。

「あの…?」

「映像記憶、を…思い出したのか…?」

「ええ、昔からやっていたような感覚があります。あの勿忘草が咲いている家で」


やはりミュウはミュウだ。
ジーヴル家の庭には勿忘草が咲いていた。

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