上司に秘密を握られちゃいました。

頬がジワジワと赤らむのを感じて俯くと、彼は「実は僕もデパートのおせちは久しぶりすぎて、よくわからなくてね」とつぶやく。


「そうなんですか?」

「そうそう。ひとりになってからは、おせちというものを一度も食べてないよ」


私と一緒だ。


「意外です。真山さんは毎年食べていらっしゃるのかと」

「いやいや、全然。
ほら、ファーストフードの方がおいしいと思う時期もあるだろう?」


もしかしたら、今もそうかもしれない。
わざわざ高いお金を出して、食べようとは思わない。


「だけど、逆に考えると、そこにビジネスチャンスがあると思うんだ」

「なるほど」


真山さんの深い思考に驚かされる。

売り上げを伸ばすには、今まで買わなかった人を取り込むことも重要だ。
そのひとつが、デザート重だったのかもしれない。

おそらく、若い女の子が手にしたはず。

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