上司に秘密を握られちゃいました。
「だから、率直に意見を聞かせて?
難しいことを聞きたいわけじゃないんだ」
私のように、いつもはおせちを口にしないひとり暮らしのOLが、どう感じるかを言えばいいのなら、難しくはない。
もともと、味のスペシャリストではない。
気負う必要はないのかもしない。
「わかりました。役に立たないかもしれませんが……」
「大丈夫。客の意見をどう商品に反映させるかは、俺の腕の見せ所だよ?
なんて、偉そうなこと言ってみた」
真山さんは楽しい人だ。
彼と話していると、自然と気持ちがリラックスしてきた。
「それでは、真山さんに尻拭いしていただくということで、私はおいしくいただきます」
「まずいな。大きなこと、言い過ぎた」
楽しい時間が流れる。
ひとり暮らしを始めてから、こんなに笑ったのは初めてだった。