上司に秘密を握られちゃいました。
そのあとも勧められるままに少しずつ堪能して、おもちも平らげてしまった。
「すごくおいしかったです。ごちそうさまでした」
今まで、おせちを敬遠していたことを後悔した。
やっぱり、私達のようなOLには高いものだけど、それだけの価値があるように感じる。
向かいに座る真山さんは、よく食べる。
だけど、決してガツガツしているわけではなく、食べ方はこの家に似合って上品だった。
「うん。なかなかだった。改善点があるとすれば……」
『仕事バカ』と彼は言うけど、その通りかもしれない。
常に、商品のこと、東郷のことを考えている。
だけど、それをイヤだとは思わない。
「若い層へのアピールが足りないかもしれないな。
実はこのサイズ、ひとり暮らしの人をターゲットにして導入したんだけど、『別に食べなくてもいいや』って言われたらそれまでだしなぁ」