上司に秘密を握られちゃいました。
「いきなり、ごめん」
私をそっと解放した真山さんは、少し照れた笑顔を見せる。
「あの、散らかってますけど、どうぞ」
耳まで赤く染まるのを感じながら、うつむいて彼を促す。
彼を部屋に入れるのは始めてだった。
「おじゃまします」
まだ心臓がドクドクと激しく打っている。
1DKの我が家は、玄関のドアを開けると小さな玄関ホール。
正面の扉の向こうが、八畳ほどのダイニングキッチン。
その奥が寝室にしている四、五畳の洋室で、ベッドだけで満タンになっている。
決して広くはないけれど、ひとり暮らしには十分な広さで、交通の便も良くて気に入っている。
「あっ……」
ダイニングに置いてある小さなテーブルの上の散らかりように唖然とした。
キッチンの片付けに必死になって、すっかり頭から抜けていた。