上司に秘密を握られちゃいました。

「あらまぁ。腐った女の巣窟なのね」


きっと嫌味が聞こえてしまっただろう早乙女様は、その社員たちをにらみつける。
そんなにはっきりと……。


「お客様の前だ。口を慎みなさい」


次に声を上げたのは真山さんだった。
その凛々しい姿に心臓が跳ねる。


「まぁ、悔しかったら、藍ちゃん以上の仕事してみなさいよ。
私は彼女にラッピングしてもらいたいわ」


早乙女様に深く頭を下げる。
お客様にそんなことまで言わせてしまって申し訳ない。


「そうそう、藍ちゃん。これ、もっとかわいくしてほしいの」


突然、早乙女様の声のトーンが女になった。


「承知しました」


元々ラッピングはされているものの、シンプルなものが多い。
これ以上のラッピングは有料になるけれど、その支払いも済んでいるようだった。


「それじゃ、よろしく」


真山さんは、早乙女様から商品を受け取った私に耳元でつぶやくと、さっきの社員の方に向かった。
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