上司に秘密を握られちゃいました。
彼女は売り場を二年だけ経験して、本部に大抜擢されたのだとか。
仕事も早いし、発言も的確で、私の憧れ。
制服ファッションショーも、当初の予定では彼女が担当するはずだったらしいけど、どうやらまったく興味がないらしい。
その代り、日用品のスペシャリストで、彼女の提案で仕入れる商品は飛ぶように売れるのだとか。
「西里さん、チョコ持ってきた?」
「はい」
小声で私に尋ねてきた彼女は「帰りの時間がまちまちだから配っちゃおう」と提案する。
彼女は数年前に結婚していて、もちろんすべて義理。
「今日はバレンタインなので」
口火を切った中津さんは、まず真山さんとの打ち合わせを終えた部長にチョコを渡した。
「おぉ、ありがとう」
私も続けて渡すと、意外にも大喜びしてくれる。