上司に秘密を握られちゃいました。

席に座り窓の外を眺める。

人と人の関係って難しい。

少し得意なことがあると嫉妬され、努力して手に入れた地位ですら、否定される。
こちらにそんなつもりはなくても。


「はぁ」

少しくらいはため息をついてもいいだろうか。
だけど、今だけ。
やっぱり負けたくないから。

それより、楽しいことを考えよう。


公孝さんもすぐに帰ってくるはず。
食事を作る時間はなさそうだ。


またリアンに連れて行ってもらおうかな。
早乙女様、来てるかな……。

そんなことを考えているうちに、彼の家の最寄りの駅に到着した。

スマホを確認すると、公孝さんからメールが入っている。


【ごめん。副社長から呼ばれた。少し遅れるけど、待ってて】


副社長……という文字に心臓が跳ねる。
佳乃さんのお父様だから。

仕事の話? それとも……。
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