上司に秘密を握られちゃいました。
彼を信じているとはいえ、身勝手すぎる現実が私を苦しめる。
「もしかしたら、異動になるかもしれない」
「はい」
きっと私が、だろう。
だけど、彼を失うくらいなら、それでもかまわない。
「俺はどの売り場でも構わないと言ってきた」
「えっ?」
もしかして、自分が異動しようとしているの?
「待ってください。それは私のセリフです。
私、受付希望だったんですよ?
もしかしたら、受付になれるかもしれないじゃないですか」
涙をぬぐって笑ってみせると、彼は私を抱き寄せた。
「だけど、俺のために……」
彼はためらうけれど、一緒にいられるなら、それくらいなんでもない。
「なにも問題ありません」
「でも、本当にそれでいいのか?」
彼の腕の中で大きくうなずく。
「はい。もし受付ではなくどこかの売り場でも、またラッピングを考えます」