上司に秘密を握られちゃいました。
本当は、良くない噂ばかりが渦巻いている部署に、乗り込みたくはない。
だけど、どんな仕事でも、やれる自信がある。
だって、東郷百貨店が大好きだから。
「でも、制服ファッションショーまではやりたいです。
せっかくここまできたんです」
ひとつくらい、仕事を達成してから異動したい。
ショーを成功させて、きちんと仕事を評価されて本部に引っ張ってもらえたと証明してみせる。
「藍華……。わかった。それは約束する」
公孝さんは、私の顔を覗き込み、苦しげな顔をする。
「もう、悲しい顔しないでください。
私は……公孝さんがわかってくれれば、それで十分です」
公孝さんのためらいが、手に取るようにわかるから、口角を上げ、笑ってみせる。
「藍華……」
自分でも強くなったと思う。
たとえ感情が揺れても、最後には、東郷のために役に立ちたいというところに行きつく。
そして、彼のそばにいたいというところに。