上司に秘密を握られちゃいました。

「藍華」

「……はい」


コーヒーカップをテーブルに置いた彼は、私に視線を絡ませそらさない。


「結婚、しようか」

「えっ?」


突然のプロポーズに、唖然として目を見開く。


「正式に婚約すれば、同棲だって堂々とできる。
それに俺は……結婚するなら、藍華しか考えられない」


『藍華しか考えられない』という彼の言葉に、胸が震える。
私も、公孝さんしか、考えられない。


「私……」


胸がいっぱいで、言葉が出てこない。


「藍華にずっとそばにいて欲しい。離れたくない」


公孝さんの口から飛び出す愛の囁きのせいで、涙が溢れてくる。


「……私、東郷の制服のコスプレが好きなんです」


なにを告白しているのだろう。


「あはは。わかってるよ。俺も制服好きだし」

「だけど、それより公孝さんが好き」
< 390 / 439 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop