上司に秘密を握られちゃいました。

自分で工夫したラッピングは、大変だったけど楽しかった。
福袋商戦でワゴンを押さえたことも、迷子のお世話をしたことも今となっては、良い思い出になっている。

それ以上、なにかを話すと涙が零れそうだった私は、深く頭を下げ、本部を出た。


その日はそのまま自分の部屋に戻った。
明日の休みは、引っ越しの予定。


前回の休みの時は、公孝さんも休みを合わせてくれて、ふたりで私の実家に行った。
そして……「藍華さんを私に下さい」という、まるでドラマのようなセリフを聞くことができて、涙が零れた。


こっそり同棲すればいいと思っていた私とは違い、公孝さんは最初から両親に了解を得るつもりだったと知った。

知らなかった。
彼がそこまで考えてくれていたことを。

私はただ好きな人と一緒にいられれば……という安易な考えだったのに、彼はもっと将来を見据えていてくれた。
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