上司に秘密を握られちゃいました。

「そっか。西里さんの受付の制服姿、どこかで見た気がしたんだけど、思い違いかな」

「そうですよ」


ふぅ。なんとか切り抜けた。

これ以上は危険だ。
早く仕事を終わらせてしまおうと再びリボンを結び始めると、真山さんも手を動かし始めた。


「ここの制服は、代々人気があってね」


まだ制服の話なの? 
ドキドキしながら相槌を打っていると、彼はとんでもないことを言いだした。


「よければ、紺のワンピース、見てみる?」

「本当ですか!!」


願ってもない提案に、思わず立ち上がってしまった。
落ち着け、私。


「すみません……。東郷百貨店の制服は、子供の頃の憧れなもので」


本当は、今もだけど。

恥ずかしくなって視線をそらしながら椅子に座り直すと、真山さんがクスッと笑った。
< 47 / 439 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop