ホルガリズム
モグラにつくと、平日という事もあってか客の入りは少なかった。

カウンターに腰を下ろし、とりあえず生を2つ注文する。


彼女はテキパキとオーダーしていき、その中にはもちろんナスの揚げ出しと卵焼きも入っていた。

目の前にあるテレビの中では、大きな歓声と共にバッターが走り出したところだった。


一通りオーダーし終わった頃には、水滴と氷がついたままのキンキンに冷えたジョッキが届き、シュワシュワと美味しそうな音をたてていた。



「それでは・・・、」


ジョッキを片手に何かを思い出すように考えて、彼女は続けた。


「ハルとホルガと私と猫の、出会いに乾杯。」


ゴンッと音をたてて、2つのジョッキがぶつかった。
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