ホルガリズム
ホルガというカメラは“気まぐれトイカメラ”という異名を持つほど、気まぐれに写真を映し出す。


“トイ”と呼ばれるのは決して“オモチャのような”という比喩ではなく、そのままの意味で“オモチャ”なのだ。


全てがプラスチックで出来ていて、機種によってはレンズでさえプラスチック製なものもある。


まるで冗談で作られたようなカメラなのに、それでも一部のプロが好んで使うのには当然ワケがあるためで。


他のどんなカメラでも撮る事ができない、ホルガならではのチープな写真が撮れるのだ。そのため一般的には駄作となり得る写真も、ホルガであれば味のある写真へと変わる。


もちろん、ただの駄作もあるけれど。


すべては計算ではなく、たまたま。


僕も、その醍醐味であるホルガの“気まぐれさ”に魅せられた1人なのだ。
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