君をひたすら傷つけて
「私もずっとお兄ちゃんのことを考えてた。どうしているかって、いつも思っていたし。そして、会いたいって。でも、自分から逃げたのに、戻るなんて自分勝手すぎるって思ってた。こうして、ここに戻ってきて、ホッとしちゃうの。自分の家に帰ってきたって思う。これからのことは分からないけど、ホッとするの」
「今はそれでいい」
緊張が私を包み、でも、その緊張が私を優しく、今はこれでいいと教えてくれる。こうやって抱きしめられたことは何度かあるけど、今までには感じなかった心音に自分で驚くほどだった。今までの兄妹の関係から、大人の男性と女性としての始まりだと思った。
「今日はここに泊まるだろ。ここは雅の家だし」
泊まるという言葉にドキッとした。ここは既に私の家になっているけど、今までの関係から少しだけ違うからか戸惑いもある。今までの関係も思い出も消えるわけではないけど、新たな道を歩き出そうとしている。
今まで兄妹のように生活してきたのに、男と女として生活出来るのかと、そして、私はまだ、お兄ちゃんに言ってないことがある。妊娠していることをまだお兄ちゃんに話してなかった。そのうち話さないといけないと思うけど、今は言うべきではない気がする。
家出して、帰ってきたと思ったら、妊娠してますだなんて、余りにも急すぎる展開だから、どう伝えるべきなのか考えたいと思った。
「うん。でも、急だし今日はまりえのマンションに戻るわ。そして、改めてここに戻ってくるから。それでいいでしょ」
でも、お兄ちゃんは軽く首を振り、少し考えてから私を見つめた。
「今はそれでいい」
緊張が私を包み、でも、その緊張が私を優しく、今はこれでいいと教えてくれる。こうやって抱きしめられたことは何度かあるけど、今までには感じなかった心音に自分で驚くほどだった。今までの兄妹の関係から、大人の男性と女性としての始まりだと思った。
「今日はここに泊まるだろ。ここは雅の家だし」
泊まるという言葉にドキッとした。ここは既に私の家になっているけど、今までの関係から少しだけ違うからか戸惑いもある。今までの関係も思い出も消えるわけではないけど、新たな道を歩き出そうとしている。
今まで兄妹のように生活してきたのに、男と女として生活出来るのかと、そして、私はまだ、お兄ちゃんに言ってないことがある。妊娠していることをまだお兄ちゃんに話してなかった。そのうち話さないといけないと思うけど、今は言うべきではない気がする。
家出して、帰ってきたと思ったら、妊娠してますだなんて、余りにも急すぎる展開だから、どう伝えるべきなのか考えたいと思った。
「うん。でも、急だし今日はまりえのマンションに戻るわ。そして、改めてここに戻ってくるから。それでいいでしょ」
でも、お兄ちゃんは軽く首を振り、少し考えてから私を見つめた。