君をひたすら傷つけて
 私は高取くんが好き。初めて会った時からずっと気になっていて、知れば知るほど好きになる。お兄さんから高取くんのことを聞いた今、戻れないところまで来てしまった。

「何が幸せかというのを決めるのは私よ。どんなに傷ついてもいいし、どんなに苦しくてもいい。高取くんの気持ちが欲しい。私を好きになって欲しい。そして、ずっと最後まで傍に居たいの」


 目を見開く高取くんは全てを悟ったようだった。遅れた理由も何もかも。でも、それに怒るでもなく、ただゆっくりと言葉を紡いだ。


「兄さんに会ったんだね。兄さんから僕のことを全て聞いて僕に同情した?」

「違う」


 同情?そんな中途半端な気持ちではない。でも、それを伝えるのは難しい。なんと答えていいか迷う私に高取くんは優しい言葉を続ける。でも、その優しさよりも私は心を抉るような言葉が欲しい。


「僕の気持ちは藤堂さんのことを大事だと思っている。それだけでダメなの?足りないの?」

「足りない。足りないの。私は好き。高取くんが誰よりも好き。この恋が辛くても苦しくても諦められない。だから大事という曖昧な言葉では納得できない」


「なんでそんなことをいうの?今のままの友達のままでもいいでしょ」


「好きだから。誰にも高取くんを渡したくないの。誰よりも傍に居たいの。特別になりたいの。だから、高取くんも覚悟を決めて」
< 102 / 1,105 >

この作品をシェア

pagetop