君をひたすら傷つけて
 仕事を最優先にする慎哉さんらしくない甘い言葉にドキっとしてしまった。慎哉さんは私の身体を抱き寄せ、ベッドから出ようとしない。それが少し私を焦らせる。一緒に居たい気持ちはいっぱいあるけど、それ以上に仕事の邪魔をしたくない。

 一緒に働いているからこそ、邪魔は出来ない。

「篠崎さんが困りますよ。迎えに行かないといけないし、それに少しですが、私も仕事がありますし」

「分かっているけど、今はもう少しそうこうしていたい。現場に雅の姿がないのは寂しかった。リズさんもエマさんもいい仕事はする。でも、雅には二人と違った良さがあるんだ。それは海も感じているところで、俺に雅の復帰は??って聞くんだ。俺が知りたいのに、聞かれるとどうしようもなかった」

「篠崎さんも待ってくれているの?」

「当たり前だろ。仕事はチームでするものだから、雅がいると海は安心するみたいだよ。雅は、海の専属スタイリストに復帰してくれるよな。エマさんもリズさんも凄いスタイリストだけど、雅がいい。それは俺だけでなく、海の意見でもあるんだよ」

「篠崎さんのそういって貰えると嬉しいわ。仕事、頑張ってきたし。でも、スタイリストを専属で出来るのは産休に入るまでですけどそれでいいのかしら」

「もちろん。無理はしないで欲しいから、雅の体調次第で、出来るだけでいい。でも、雅が現場にいてくれると、海がいい仕事をするのもあるが、俺も視界に雅がいると嬉しい」

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