君をひたすら傷つけて
「エマとリズに相談してからになるけど、私もギリギリまで仕事をしたいと思うの。でも、私とこんな風になったのに、職場で会うのは気まずくない?」

「そうか?誰もが納得すると思うよ」

「そう?」

「俺に取っての特別は雅だって誰もが知っているから」

「周りに気まずい思いをさせないならそれでいいけど……。そろそろ起きないと」

「そうだな」

「慎哉さん。腕が」

「うん。もう少しだけ」

 やっとの思いでベッドから出て、マンションを出たのは、まりえのマンションに行って着替えをしてから、事務所に行くのにギリギリの時間になっていた。慎哉さんの車でマンションまで送って貰った。

「事務所まで送らなくていいのか?」

 着替えをする間待たせたら、仕事の邪魔になると思った。

「着替えもするし、まりえとも話すから。今日、仕事が終わったら迎えに来てくれる?まりえの部屋から荷物を持って帰るから」

「ああ。連絡してくれたら迎えに行くよ」

「無理はしないで。荷物は今日でなくても、大丈夫だから。荷物がなくても、慎哉さんのマンションに帰ってくる」

 お兄ちゃんと言わずに、慎哉さんと言ったことに、顔を少し緩ませてから、頭をポンポンと撫でた。それは前から変わらないことだった。

「仕事頑張って。仕事終わったら、連絡するから」

「ありがと。じゃ、行ってきます。リズさんたまりえさんによろしく」

「わかった。じゃ、また夕方に」

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