君をひたすら傷つけて
慎哉さんのマンションに戻って、前と違うことは寝室が同じになったことだった。私の部屋にあるベッドは使える状況だったけど、私は毎日、慎哉さんのベッドで寝起きをする。それは、私がまりえのマンションから戻った日からだった。
毎日、たくさん話して、温もりに包まれて寝る。その優しさが私の身体には効果的だった気がする。一時期の不調も無くなり、悪阻も収まりつつあった。それでも苦しい時は慎哉さんが背中を擦ってくれる。
それが心強かった。
私は正式に篠崎さんのスタイリストに復帰し、マンションと現場とエマの事務所を行き来する。前に戻っただけだけど、慎哉さんとの距離だけが縮まっていた。それが自然だと思えるようになった頃のことだった。
その日は朝から篠崎さんの雑誌の撮影で、私はスタイリストとして撮影に参加していた。篠崎さんの調子もよく、朝からの撮影だったけど、それも順調に進んでいた。篠崎さんが何着目かの着替えを終わらせて、鏡の前に座ると、鏡越しに話しかけてきた。
「雅さん。ありがとう」
「何がですか?」
「この頃の高取は幸せそうだ。雅さんが傍にいるからだね」
「そんな。いつもと変わらないと思いますよ」
慎哉さんはカメラマンとさっきまでの撮影の写真を確認していて、忙しそうだった。普通ならカメラマンが自分の感性で写真を選ぶけど、雑誌の担当とカメラマンと慎哉さんの三人で意見を交し合っていた。その姿を横目に篠崎さんはクスクスと笑った。
毎日、たくさん話して、温もりに包まれて寝る。その優しさが私の身体には効果的だった気がする。一時期の不調も無くなり、悪阻も収まりつつあった。それでも苦しい時は慎哉さんが背中を擦ってくれる。
それが心強かった。
私は正式に篠崎さんのスタイリストに復帰し、マンションと現場とエマの事務所を行き来する。前に戻っただけだけど、慎哉さんとの距離だけが縮まっていた。それが自然だと思えるようになった頃のことだった。
その日は朝から篠崎さんの雑誌の撮影で、私はスタイリストとして撮影に参加していた。篠崎さんの調子もよく、朝からの撮影だったけど、それも順調に進んでいた。篠崎さんが何着目かの着替えを終わらせて、鏡の前に座ると、鏡越しに話しかけてきた。
「雅さん。ありがとう」
「何がですか?」
「この頃の高取は幸せそうだ。雅さんが傍にいるからだね」
「そんな。いつもと変わらないと思いますよ」
慎哉さんはカメラマンとさっきまでの撮影の写真を確認していて、忙しそうだった。普通ならカメラマンが自分の感性で写真を選ぶけど、雑誌の担当とカメラマンと慎哉さんの三人で意見を交し合っていた。その姿を横目に篠崎さんはクスクスと笑った。