君をひたすら傷つけて
ミラノ映画祭での受賞を契機に更に篠崎さんの仕事は忙しくなっている。それに合わせるように慎哉さんの仕事も増えていた。ドラマや映画だけでなく、CMに雑誌の撮影と日々、仕事に追われている。そんな中で、今日の時間を作るためにきっと仕事を詰めたのだろう。
「風邪ひくよ」
半分起きて欲しくて、半分は起きないで欲しくて囁く。本当に疲れているのか、慎哉さんはかなり深く眠りについているようだった。私は寝室から毛布を持ってくると慎哉さんの身体に掛けた。三月になって春が近づいているとはいえ、まだ夜は冷える。
仕事も大事だが、身体はもっと大事にしてほしい。
私が毛布を掛け、キッチンの方に行こうとすると、不意に手を掴まれた。寝ていると思っていたから、驚いて慎哉さんの方を見ると、微かに目を開き、私の手を握っていた。
「起きてたの?もしかしたら私が起こした?」
「もう、起きないといけないと思っていたから助かった。明日からの海のスケジュールの細かな変更が入ったから、思ったよりも時間が押しそうだから、どうしようかと考えているうちに寝てしまった」
「身体には気を付けてね」
「ああ。あの、雅。ちょっと座れるか?」
「うん」
私は慎哉さんの横に座ると、慎哉さんはスケジュール帳の間から封筒を取り出し、私の目の前で開いた。それは慎哉さんの署名捺印がされてある婚姻届だった。
「中々、タイミングが合わなくて。俺のサインは終わっている。証人は雅がサインをしてから、リズさんと海に頼もうと思っている。本当なら、きちんとしたレストランで食事をしながらでもと思っていたけど」
「風邪ひくよ」
半分起きて欲しくて、半分は起きないで欲しくて囁く。本当に疲れているのか、慎哉さんはかなり深く眠りについているようだった。私は寝室から毛布を持ってくると慎哉さんの身体に掛けた。三月になって春が近づいているとはいえ、まだ夜は冷える。
仕事も大事だが、身体はもっと大事にしてほしい。
私が毛布を掛け、キッチンの方に行こうとすると、不意に手を掴まれた。寝ていると思っていたから、驚いて慎哉さんの方を見ると、微かに目を開き、私の手を握っていた。
「起きてたの?もしかしたら私が起こした?」
「もう、起きないといけないと思っていたから助かった。明日からの海のスケジュールの細かな変更が入ったから、思ったよりも時間が押しそうだから、どうしようかと考えているうちに寝てしまった」
「身体には気を付けてね」
「ああ。あの、雅。ちょっと座れるか?」
「うん」
私は慎哉さんの横に座ると、慎哉さんはスケジュール帳の間から封筒を取り出し、私の目の前で開いた。それは慎哉さんの署名捺印がされてある婚姻届だった。
「中々、タイミングが合わなくて。俺のサインは終わっている。証人は雅がサインをしてから、リズさんと海に頼もうと思っている。本当なら、きちんとしたレストランで食事をしながらでもと思っていたけど」