君をひたすら傷つけて
 そうは言うけど、まだ、結婚したことも実感ないのに、子どものことに対して実感なんか描けなかった。でも、優しい色で溢れたフロアには私と慎哉さんのような夫婦もいる。みんな同じように幸せそうだった。中にはもう産まれるのではないかと言うくらいにお腹がパンパンに張っている人もいる。手を繋ぎながら歩いている姿が微笑ましかった。

「何が必要かリストある?」

「うん。ネットで調べたものだから、多分、このリストで大丈夫と思うけど」

 私はバッグの中からリストを取り出すと、慎哉さんに渡した。それを開いて見た慎哉さんの表情から余裕が無くなっていくようだった。二枚に渡るリストはイラスト入りで書いてあり、新米のパパママでも対応出来るようになっているものだった。

 文字とイラストと必要個数。そして、チェックリストまである優れ物だった。その中には出産に必要なものも書いてある。赤ちゃんだけでなく、ママまで対応した物だった。

「思った以上に買うものが多いな。近くのドラックストアで買えるものは、近くで買って、今日はベッドなどの大物を見て、それから、子どもの服と、雅のマタニティの服も必要じゃないか?」

 さっきと言っていることは違うけど、リストを見て、思った以上に準備しないといけないものがあるのだと思ったようだった。確かに私の服も必要かもしれないけど、それは大きなサイズのワンピースで対応するつもりだった。

 海外で買ったワンピースは外人サイズで日本人の私が着ると、普段服もマタニティになる。

「うん。でも、子ども服って性別が分からないと買えないわ。それと私の服もフランスで買ったワンピースとかで対応出来そう」

「それならいいが、じゃ、このリストの中から買えそうなものを買おう」
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