君をひたすら傷つけて
 慎哉さんの言う通りだった。

 何も考えてなかった私は結婚式をすることすら、頭に無かった。出産したら、すぐに現実の生活にどっぷり浸かるだけだろうと思っていただけで、何も考えてなかった。

 でも、慎哉さんは私以上に考えてくれていたのだろう。実際に、マリッジリングのことも頭から抜けていた。結局、私は入籍のことくらいしか考えてなかった。大好きな慎哉さんの妻になるということだけで、思考が停止していたのだろう。

 これから出産して、子育て。両家挨拶に、結婚式を挙げて……。本当にすることはいっぱいあった。

「じゃ、可愛いからこのベビー服を買ってくる」

「俺のカードで払うから一緒に行くよ」

「いいよ。このくらい」

 私がそういうと、慎哉さんは私の手をキュッと握った。

「父親らしいことをさせてくれ。それと、雅の家族カードも作らないといけないな。お金のこともあるし」

「お金?何で??」

「俺の預金全部を雅に預けるつもりだから、それで、生活をして貰わないといけないだろ。仕事柄、少し多めに費用は掛かるけど、そんなに使うことないから」

 夫婦共働きの場合はお互いに生活費を出し合って、生活するものだと思っていた。でも、慎哉さん全部、私に預けるという。慎哉さんのことだから、きっと計画的にしていると思うから、私が預かっていいものか心配になる。

「私も働いているけど??」

「それは雅の好きに使えばいいよ」

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