君をひたすら傷つけて
義哉が亡くなった後に何回か会ったけど、ここしばらくは会ってなかった。久しぶりに会ったお兄さんは私の姿を見て微笑んだ。その微笑みが義哉に似ていたのでドキッとする。でも、心なしか痩せたような気がした。それでもお兄さんはいつも通りに落ち着きをみせていた。
「久しぶりだね。義哉に会いに来たの?」
「はい。大学の講義も終わったから」
「ありがとう。義哉も喜ぶよ」
私は持ってきた花をお兄さんが持ってきたと思われる花の横に入れると、手を合わせ、天国にいる義哉に心の中で話し掛けた。こうやって話しかけていると時間は確実に流れているのに私の中の時間はあの時のまま止まってしまっているのを感じる。何度も前に歩こうと思ってはいるけど、心がついていかなかった。
「ちょっと話そうか?時間大丈夫?」
「はい。大丈夫です」
お参りの終わった私にお兄さんは声を掛けてきた。お兄さんに会ったのはあのお葬式以来だったので、久しぶりに一緒に話すのもいいと思ったからだった。
お兄さんと一緒に入ったのはお墓の近くにあるカフェだった。
大学の講義が終わって来たくらいの時間なので客は疎らで静かな店だった。微かに聞こえる優しい音楽が癒しとなる気がした。ドアを開けた瞬間にコーヒーの香りが鼻腔を擽った。
「何にする?」
「ホットミルクをお願いします」
「久しぶりだね。義哉に会いに来たの?」
「はい。大学の講義も終わったから」
「ありがとう。義哉も喜ぶよ」
私は持ってきた花をお兄さんが持ってきたと思われる花の横に入れると、手を合わせ、天国にいる義哉に心の中で話し掛けた。こうやって話しかけていると時間は確実に流れているのに私の中の時間はあの時のまま止まってしまっているのを感じる。何度も前に歩こうと思ってはいるけど、心がついていかなかった。
「ちょっと話そうか?時間大丈夫?」
「はい。大丈夫です」
お参りの終わった私にお兄さんは声を掛けてきた。お兄さんに会ったのはあのお葬式以来だったので、久しぶりに一緒に話すのもいいと思ったからだった。
お兄さんと一緒に入ったのはお墓の近くにあるカフェだった。
大学の講義が終わって来たくらいの時間なので客は疎らで静かな店だった。微かに聞こえる優しい音楽が癒しとなる気がした。ドアを開けた瞬間にコーヒーの香りが鼻腔を擽った。
「何にする?」
「ホットミルクをお願いします」