君をひたすら傷つけて
 私のメールに対するお兄ちゃんの返信はすぐに届いた。

『今日は忙しいので明日の夕方でいいか?今度新しくマネージメントするモデルとの打ち合わせが入っている。時間はまだ分からないけど、出来るだけ早くに時間を空けるよ』

 
 お兄ちゃんは義哉が亡くなってから、それまでセーブしていた仕事を全開でし始めている。私がサークルに入った時期と同じくらいの頃から仕事は忙しいみたいだった。前に会った時に新しいモデルのマネージャーをするかもしれないと言っていた話しが決まったのだろう。


『忙しいのにごめんね』

『雅の相談は大歓迎だよ。明日になってから連絡するから、その時にな』

 私が少しだけ歩き出したようにお兄ちゃんも歩き出している。それが嬉しい。義哉のことをまだ過去に出来ない私はお兄ちゃんのメールを見ながら、また、義哉のことを思い出していた。

 
 次の日、お兄ちゃんからのメールが届いたのは昼休みにランチをしている時だった。


『夕方の六時半に駅前のカフェでいいか?その前に仕事が入っているから少し遅れるかもしれない。あまりにも時間が掛かりそうだったら、また連絡する』

『今日は講義の後、何もないから大丈夫。私に気にせずにお兄ちゃんは仕事頑張ってね』

『雅に会うために頑張って来るよ』

『ちょっと買い物があるから、それを終わらせてから連絡するね』


 私は講義が終わると直ぐにカフェには行かず、少しブラブラしてから行くことにした。雑貨屋さんを回って、本屋に行って、そしてカフェに着いたのは約束の六時半になる五分前だった。
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