君をひたすら傷つけて
 何が好きかと言われたら正直明確な答えはない。でも私の心を揺さぶったのはふとした瞬間に私に見せてくれた微笑みだったと思う。ずっとこの微笑みの傍に居たいと心から思った。そして、それは私の気持ち次第で叶えられると思った。


 でも、そんなのは夢。私が望んだ叶えられない夢。


 もしも神様が一つだけ願いを叶えてくれるなら…あの時に戻り、私の思いをもっとあなたに伝えたい。言葉では足りないくらいの愛を伝えたい。自分の中でどれだけあなたを思い、どれだけあなたと一緒に居たいと思ったか。


 ずっと好き。たくさん好き。

 愛している。もっと。もっと。


 好きという言葉を伝えたい。あの頃の私から見ると大人になった私もずっと愛していると教えてあげたい。そして、私が死ぬ時まであなたは私の心の奥底にいるというのを伝えたい。きっと消えることのない恋をした私はその恋故に許されない願いをする。


 でも一番のお願いは…。


 あの時に一緒に死ねたらと思う。私の思いは罪なのかもしれない。でも、それが私の一番の望みだった。あなたの居ないこの世の中で生きるのは辛すぎる。


 でも、あなたは笑って…。
 そっと窘めるような優しい言葉で…。


 一緒に行くことは絶対に許してくれない。私を縛る約束は…。いつも私を締め付ける。


 でも、約束はあなたの私への溢れるほどの優しさと愛だということを私は知っている。あなたに今も恋を続ける私はきっといつまでもあなたとの恋に囚われたまま。でも、それが私にとって選ぶことの出来ない現実だった。



 
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