君をひたすら傷つけて
「でも、今日は飲み過ぎだわ。正直、すぐにでもベッドに横になりたい気分」

 私はアパルトマンに帰ってくると気が緩んだのか、さっき以上に足元が覚束ない。ユラユラ身体が揺れるのが自分でも分かる。このまま、この場所に座ってしまいたい心境に駆られる。

 でも、さすがにドアの前なら、せめて部屋の中に入らないと。そんな私の姿を見ながらアルベールは心配そうな顔を私に見せている。そんなに心配そうな顔をしなくても大丈夫と言ってあげたいけど、アルベールの真摯な瞳に嘘は吐けない。

「送ってくれてありがとう。もう寝るね」

「早く寝た方がいい。起きたら気分悪くなるだろうから、出来れば、寝る前に多めに水を飲んで。もう、まりえさんは起きているかな?それだといいけど」

「もう。起きていると思うから大丈夫」

「アルベールはこれから帰るんでしょ」

「俺は大丈夫だよ」

 私がいきなり酔いが回り始めたと感じたアルベールは心底心配そうな顔をしている。アルベールの優しさが好ましく思い、幸せだと感じた。

「また一緒に行こうね」

「ああ。勿論だよ」
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