君をひたすら傷つけて
お兄ちゃんの姿を見て身体が先に動いてしまったけど、私はアルベールに誘われている途中だった。初めてアルベールの部屋に誘われたのに、私はお兄ちゃんの方に走り出してしまった。アルベールに話さないまま私はお兄ちゃんと一緒に食事に行くことは出来なかった。
「ごめんなさい。後から電話していい?」
「仕事の合間にメールでもいいよ。今から私もホテルにチェックインして、昨日までの仕事の連絡もあるし、書類の整理もある。だから、雅が仕事が終わって時間があればでいい」
「うん。分かった。分かり次第連絡をいれる」
「待ってる。さ、仕事頑張っておいで」
「うん。あ、お兄ちゃん」
「ん?」
「会いに来てくれてありがと」
「私が雅に会いに来るのは当たり前だ」
そう言いながら、さっきは帰ろうとした癖に…。
お兄ちゃんがタクシーに乗るのを見届けてから、私はスタジオに戻るとちょうど休憩が終わって、撮影が始まるところだった。スタジオに入ってきた私をアルベールは見ていてニッコリといつも通りに微笑む。
初めて部屋に誘われたのに、答えもせずに走っていってしまった私を咎めるような表情はみせなかった。いつも通りのアルベールが居た。アルベールはカメラマンに呼ばれ、スタジオのセットの中に歩いていく途中でそっと呟くような言葉を残した。
「今日はちょっと用事が入って駄目になった。また、誘うから今日はごめん」
「ごめんなさい。後から電話していい?」
「仕事の合間にメールでもいいよ。今から私もホテルにチェックインして、昨日までの仕事の連絡もあるし、書類の整理もある。だから、雅が仕事が終わって時間があればでいい」
「うん。分かった。分かり次第連絡をいれる」
「待ってる。さ、仕事頑張っておいで」
「うん。あ、お兄ちゃん」
「ん?」
「会いに来てくれてありがと」
「私が雅に会いに来るのは当たり前だ」
そう言いながら、さっきは帰ろうとした癖に…。
お兄ちゃんがタクシーに乗るのを見届けてから、私はスタジオに戻るとちょうど休憩が終わって、撮影が始まるところだった。スタジオに入ってきた私をアルベールは見ていてニッコリといつも通りに微笑む。
初めて部屋に誘われたのに、答えもせずに走っていってしまった私を咎めるような表情はみせなかった。いつも通りのアルベールが居た。アルベールはカメラマンに呼ばれ、スタジオのセットの中に歩いていく途中でそっと呟くような言葉を残した。
「今日はちょっと用事が入って駄目になった。また、誘うから今日はごめん」