君をひたすら傷つけて
「リズさんはどうなんだ」

「仕事の時は厳しいけどいつもは優しいの。一緒にいるともっと上に上りたいと思うから不思議なの。私のような普通の大学生が留学先で期間延長だけでなく、全く違う分野の学校に入り直すしたいと思ったくらいだし」

「それには驚いた」

「いきなりだったからね」

「ああ。いくら雅の事を信用していると言っても留学期間延長の上、留学先の学校の変更となると驚く」

「心配させてごめん」

「それはいいよ。でも、雅の話を聞いて安心したし、雅の顔をみて幸せそうなのを見てホッとした」

「心配過ぎ」

「それは自覚してる」

 二人でゆっくりと笑いながらお酒を楽しみながら時間を過ごしていると、日本に居た時に一緒に食事をしていた頃を思い出してくる。こんな風に酔いながら何度も楽しい時間を過ごした。それも月日が流れても変わってなかった。

 閉店の時間を回っていた。

 お兄ちゃんと夢中で話しているとあっという間なのに、時計を見ると会ってから三時間を過ぎていて、驚きながらもこの楽しい時間の終わりを感じて寂しく思ってしまう。もっと、一緒に居たいし、もっとたくさんのことを話したいと思った。

 店を出ると、既に真夜中で少しの肌寒さを感じる。さっきまでワインを飲んで少し酔いを楽しんでいたから、肌に感じる冷たさが一層心を寂しい。お兄ちゃんは二日だけ休みを貰ったと言っていた。明日一日は一緒に居れたとしても、明後日には日本に帰ってしまう。
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