君をひたすら傷つけて
 肌に着けているものを一枚脱ぎ捨てる度に私とアルベールの距離が近づくような気がする。触れる肌の熱さを感じながら、アルベールの胸に頬を寄せ、私の視線の先には男の色香と艶やかさを纏うアルベールがいて、視線が絡むと余裕のない顔を見せていた。

「怖い?」

「ううん。身体が熱い」

「俺もだよ。怖いのに雅に触れたくて堪らない。怖くないか?」

「怖くない」

「出来るだけ優しくする。でも怖かったら止めるから」

 身体中に微かに触れるようなキスが落とされ熱が広がっていく。この年だからそれなりの知識はあるが、その知識を全て塗り替えすほどの熱で私は包まれていく気がした。恥ずかしくて逃げようとする私の身体をアルベールは抱きしめ、首筋に唇を落としていく。

 鎖骨に胸に…。あの時のように私の身体は抗うことはなかった。

「愛している。雅」

 そんな甘い言葉と共にアルベールは私を強く抱き寄せた。甘い痛みが身体を貫き、その痛みに私はきゅっと身体を固くしてしまった。

「大丈夫?止めようか?」

「このままでいて」

 アルベールは優しく私を抱いた。アルベールの愛を一身に受け、身体を揺らし、途中からは聞いていて恥ずかしくなる声が寝室に響いていた。頭の中が真っ白になって、身体の力が抜けた時にアルベールは額に掛かる私の髪をそっと撫でながら唇を重ねてくる。私の中がアルベールでいっぱいになっていた。
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