君をひたすら傷つけて
今回の日本滞在は長くても一か月だとリズから言われている。仕事が忙しくなるからとエマの新しい事務所に近い場所にマンスリーマンションを借りる予定だけど、リズからはその間に長期滞在用のマンションを探して欲しいとも言われていた。
マンスリーマンションには珍しい二LDKで広めの部屋だった。渡されたのはマンションの地図と間取り図。管理する不動産屋の連絡先が書かれてあった。
少し広めの部屋にしたのはフランスでコレクションを終わらせたリズが日本に来た時に一緒に住むためだった。仕事柄、たくさんのサンプルも持って帰ることになるかもしれないから、少しでも部屋は広い方がいいらしい。
マンションの場所は地図を見れば行けるけど鍵がないと中には入れないから不動産屋に連絡しようと思って携帯をバッグから取り出して息が漏れる。フランスで使っていた携帯は日本では使えない。フランスで生活すると決めた時にフランスで契約して日本で使っていたものは解約していた。
公衆電話を探していると、不意にカートを掴んでいる腕をぐっと引かれた。驚いて視線を上げるとそこには息を切らせたお兄ちゃんの姿がある。スーツを着たお兄ちゃんは額にうっすらと汗まで掻いている。
空港まで来てくれるとは思ってなかったので、驚いてしまった。日本に仕事で来ることは言っていたから、マンションに落ち着いてから連絡するつもりだった。でも、お兄ちゃんは目の前にいる。余程急いで走ったのかもしれない。
「さっきから何度も呼んだのに」
「ごめん。公衆電話を探していたの。フランスで使っていた携帯はこっちでは使えないから」
マンスリーマンションには珍しい二LDKで広めの部屋だった。渡されたのはマンションの地図と間取り図。管理する不動産屋の連絡先が書かれてあった。
少し広めの部屋にしたのはフランスでコレクションを終わらせたリズが日本に来た時に一緒に住むためだった。仕事柄、たくさんのサンプルも持って帰ることになるかもしれないから、少しでも部屋は広い方がいいらしい。
マンションの場所は地図を見れば行けるけど鍵がないと中には入れないから不動産屋に連絡しようと思って携帯をバッグから取り出して息が漏れる。フランスで使っていた携帯は日本では使えない。フランスで生活すると決めた時にフランスで契約して日本で使っていたものは解約していた。
公衆電話を探していると、不意にカートを掴んでいる腕をぐっと引かれた。驚いて視線を上げるとそこには息を切らせたお兄ちゃんの姿がある。スーツを着たお兄ちゃんは額にうっすらと汗まで掻いている。
空港まで来てくれるとは思ってなかったので、驚いてしまった。日本に仕事で来ることは言っていたから、マンションに落ち着いてから連絡するつもりだった。でも、お兄ちゃんは目の前にいる。余程急いで走ったのかもしれない。
「さっきから何度も呼んだのに」
「ごめん。公衆電話を探していたの。フランスで使っていた携帯はこっちでは使えないから」