君をひたすら傷つけて
まりえには高校の時から付き合っている彼が居るのは知っていたし、フランスでも頻繁にメールやパソコンでやり取りもしていた。いつかは結婚したいと言っていたのも知っている。

 まりえは二十五歳だし結婚するには早いと思う。それに彼は二つ年下だからまだ二十三歳。でも、まりえは幸せに包まれているのが分かる。

「おめでとう。でも、吃驚したわ。だって、彼ってまだ二十三歳でしょ」

「いつかは結婚するのだから、今年しても来年しても五年後しても一緒でしょ。だから結婚するの。一緒に居たいと思うから」


 今年でも来年でも…五年後でも一緒。そんなまりえの言葉を聞きながら私はその言葉の意味を心が理解した。もしも、義哉が生きていてくれたならまりえと同じように思い、行動したかもしれない。

 一緒に居たいから結婚する。そんなシンプルな考え方がまりえらしい。

「まりえらしいわ」

「そう?でも、雅も大事な人がいるんでしょ。リズから聞いているわ。その人といつかは結婚したいとか思わないの?」

 アルベールと結婚?もしも結婚したらどうなるのだろうか?

 自分のことで精一杯の私は先のことを考える余裕はなかった。でも、アルベールと一緒にいることが出来るなら私は幸せになれると思う。でも、考えられない私とは違ってまりえは自分の人生を決めていた。
< 524 / 1,105 >

この作品をシェア

pagetop