君をひたすら傷つけて
お兄ちゃんの誕生日は二週間後でその頃には私はフランスに帰っているだろうから、一緒にお祝いをすることは出来ない。誕生日プレゼントをするなら、私も一緒に肢体と思った。

「ありがとうございます」
「え?」

「篠崎さんが誘ってくれなかったら、私は高取さんの誕生日を知らないままでした」

「それならよかったです。でも、高取に知られないようにしたいので協力してください」

「サプライズですね」

「高取の驚く顔が見たい。雅さんと俺とで探したプレゼントとかだったら、きっと驚くし喜んでくれると思う」

 そういって笑う篠崎さんは優しく無邪気で……少しだけ義哉に似ているような気がした。顔は全く違うし病弱だった義哉と身体つきも違う。自信に満ちた雰囲気も違う。でも、どこか義哉に似たところがあって…。私はドキッとした。

 もしかしたら、お兄ちゃんは篠崎さんの中に義哉を見ているのだろうか?

 私でも気付くのだから、お兄ちゃんもきっと気付いている。

「さ、行きましょ。地下の駐車場に車を置いているのでそれで行きます」

「自分で運転ですか?」

「今日は午後からオフなので、高取とは別行動です。だから、自分で運転しますよ」

 日本で有名な俳優なのに少しも奢ったところはなく優しい人だった。私は篠崎さんの横を歩きながら義哉のことを思い出していた。あれからかなりの時間が経っているのに義哉のお母さんのプレゼントを探すために行ったショッピングモールでのことを思い出す。

 一緒に探したオルゴールのことも思い出していた。

「大丈夫?結構歩いたから疲れたかな?」
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