君をひたすら傷つけて
いつの間にか篠崎さんは私に敬語を使わなくなっていた。丁寧な言葉ではあるけど、どこか距離が縮まった気がする。本当に自然体な人だと思った。初対面の人でも好かれるだろうこの人は…やぱりどこか義哉に似ている。
「大丈夫です。でも、そろそろ決めましょう。今のところの候補は無難なところでいうとシャツとかネクタイ。後はバッグとかだけど、それはありきたりだし…。高取さんは何が欲しいのかしら?」
「今、一番欲しいものなら分かるんだけど、それはやれないんだよな」
「何ですか?」
お兄ちゃんが欲しいものがあるならそれがいい。でも、やれないってことはそれほど高価なものなのだろうか?高級腕時計とか乗用車とか??
でも、篠崎さんの口から零れた言葉はそれらのものではなかった。
「休みだよ。高取がこの頃一番欲しがっているのは休み」
「え?休み?」
「雅さんが日本に帰国してから何度も社長に掛け合っている。俺のスケジュールも必死に調整しているんだ。抱える俳優の俺よりも雅さんの方が大事らしい。今日も俺はオフだけど高取は来週に休みを取るために打ち合わせを前倒ししてる。雅さんが今週末くらいなら時間が取れるんじゃないかと思っているみたいだね」
「お兄ちゃんがそう言ったの?」
「言わないよ。でも、傍に居れば考えていることくらいは分かる。高取が俺のことを大事に思ってくれるように、俺も高取のことを考えると見えてくる。『お兄ちゃん』と呼ぶくらいだから、高取の性格は雅さんが分かっているだろ」
「大丈夫です。でも、そろそろ決めましょう。今のところの候補は無難なところでいうとシャツとかネクタイ。後はバッグとかだけど、それはありきたりだし…。高取さんは何が欲しいのかしら?」
「今、一番欲しいものなら分かるんだけど、それはやれないんだよな」
「何ですか?」
お兄ちゃんが欲しいものがあるならそれがいい。でも、やれないってことはそれほど高価なものなのだろうか?高級腕時計とか乗用車とか??
でも、篠崎さんの口から零れた言葉はそれらのものではなかった。
「休みだよ。高取がこの頃一番欲しがっているのは休み」
「え?休み?」
「雅さんが日本に帰国してから何度も社長に掛け合っている。俺のスケジュールも必死に調整しているんだ。抱える俳優の俺よりも雅さんの方が大事らしい。今日も俺はオフだけど高取は来週に休みを取るために打ち合わせを前倒ししてる。雅さんが今週末くらいなら時間が取れるんじゃないかと思っているみたいだね」
「お兄ちゃんがそう言ったの?」
「言わないよ。でも、傍に居れば考えていることくらいは分かる。高取が俺のことを大事に思ってくれるように、俺も高取のことを考えると見えてくる。『お兄ちゃん』と呼ぶくらいだから、高取の性格は雅さんが分かっているだろ」