君をひたすら傷つけて
「そういえば、この間、海と出掛けたのだろ?どこに行ったんだ?海に聞いても教えてくれない。雅に聞けって」

 用事があったから一緒に出掛けたけど、その理由が『お兄ちゃんの誕生日プレゼント』を買いにってこと。さすがにそれは言えない。篠崎さんも言葉に迷って私に答えを一任したのかもしれない。

「エマの仕事の関係でお兄ちゃんの働いている事務所に行ったら、篠崎さんにばったり会って…。それで洋服を選ぶのを手伝ったわ。ただ、それだけなの」

「なるほど。でも、仕事でウチの事務所に来るなら連絡をくれればいくらでも力になったのに」

「仕事とお兄ちゃんの関係は切り離していたいの。甘いと言われるかもしれないけど」

「雅らしいな。でも、この世界は繋がりがとても大事なんだ。伝手が無いと仕事にならない場合が多い。必要なら俺から社長に言うから」

「ありがとう。どうしようもない時はお願いね」

「俺にとって雅は妹のようなものだ。妹の心配をするのは当たり前だろ。それに芸能界で仕事をしていくなら使える手は全部使っていくのが当たり前だ。そんな世界だよ」
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