君をひたすら傷つけて
私がお兄ちゃんに篠崎さんのCMについての詳細を聞きたいとメールしたのは直ぐだったけど、中々お兄ちゃんからの返信はなかった。そして、夕方になってメールが届き、お兄ちゃんの会社の会議室で二日後の午後二時を指定された。

「二日後の午後二時にプロダクションの会議室でと連絡があったわ」

 私が届いたメールの内容を言うと、エマとリズは二人で顔を見合わせて頷いたが緊張が浮かんでいた。

「雅。悪いけど一緒に行ってくれる?」

「行くわ」

「本当に悪いと思っているから」
「気にしないで。私が聞いてきた話だから、私が行くのは当たり前でしょ」
「でも……」
「リズの為に出来ることがあるなら私がしたいと思っているから」
「ありがとう」

 その夜、私は予定日にフランスに帰れなくなったことをアルベールにメールした。最初は電話をしようかと思ったけど、声を聞くと言えなくなりそうだったから私はメールにした。自分でも狡いと思う。

 私はアルベールに帰国が遅れることを伝えるとすぐにメールが返ってきた。

『俺のことは心配しないでいいから、仕事頑張っておいで。雅がいることでリズも助かるならその方がいい。でも、必ず帰ってきて欲しい』

『帰ってくるよ。私はフランスで働くつもりだから』

 本当はアルベールの傍に居たいからとメールを打ちたかったのに出来なかった。アルベールは自分の仕事を頑張っている。そして、私も自分の仕事を頑張ろうと思った。
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