君をひたすら傷つけて
「何も知らないのですか?アルベールの叔母は南フランスからイタリアに掛けて会社を展開している企業家です。叔母には子どもが居ないので、甥であるアルベールが後継になるのは決まっていたことです」

「モデルでも成功してます。従姉妹ならアルベールの活躍を知っているでしょう。彼がどれだけ頑張って今の仕事に向き合っているかを」

「叔母の財産からしてみたら、今のモデルの収入など大したことはありません」

 アルベールの叔母さんの資産がどのくらいあるのか分からないけど、モデルとして成功し頑張っているアルベールを否定して欲しくなかった。

「何故、ここに来たのですが?私はあなたの言うことよりもアルベールの言葉を信じます。そそれと、アルベールのステージを軽く言わないでください。アルベールがどれだけ頑張り、どれだけ真摯に向かっているのか。分かっているのですか?」

 アドリエンヌさんの言葉は今のアルベールを否定するものだった。もしも、本当に彼女がアルベールの許嫁だったとしても、今のアルベールを否定して欲しくなかった。一緒に仕事をしてきた私は引くことが出来ない。

「アルベールを返して貰いたいからです。私は物心ついた時から、アルベールの為に生きてきました。だから、今更、貴女にアルベールを渡すわけにはいかないのです。それにアルベールも最後には叔母に従います。モデルを辞めて戻ってきます」

「アルベールの気持ちはどうなるの?」
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