君をひたすら傷つけて
 リズの部屋にバッグと靴だけ持って行くと、リズは既に自分の準備を終わらせていた。ワインレッドのイブニングドレスを着たリズは眩いくらいに綺麗だった。胸元はかなり際どく開いているし、スカート部分には太ももまでのスリットが入っていて、金のサンダルが眩しい。

 髪は巻かれ、肩で綺麗なブロンドを揺らしている。メイクはドレスに負けないようにと念入りに施され、伏せた睫毛の長さとクッキリと輪郭を取られた唇が目を惹く。唇はリズのお気に入りの真紅の口紅に瑞々しさを増すジェルが乗せられていた。

 大ぶりのピアスに胸元を引きつけるルビーのネックレスが眩しさを増していた。

 本当に気合いを入れないと私が浮くのは間違いなかった。

「リズ。綺麗」

「ありがと。さ、雅の準備をしましょ」

「あんまり派手にしないで」

「もちろんよ。高取さんの用意してくれたドレスに合うように可愛らしいけど、どこか女を感じさせるようなメイクにしようと思うの。雅は項も綺麗だしね。でも、霞まないようにはしないと」

「霞んでいいよ」
「そういうわけにはいかないわ」

 リズの部屋で準備すること一時間。時間ギリギリまで私はドレッサーの前に座り準備をした。ヘアメイクが終わるとお兄ちゃんから貰ったワンピースを着た。

「可愛いわ。さ、アクセサリーは…パール系にしようかな。それにしても、本当によく似合う。高取さんの趣味も中々ね。濃紺のワンピースだからどうかと思ったけど、細かな銀糸が縫い込んであるから、裾のところがライトに当たってとっても綺麗。」

「ちょっと可愛らし過ぎない?それに足も出過ぎな気がする」

「よく似合ってるから大丈夫。雅は足も綺麗だから出しても大丈夫」

「着慣れないから恥ずかしい」



 

 
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