君をひたすら傷つけて
周りの雑踏の中で彼の周りだけは静かで何というではないものを見つめ、ゆっくりと視線を動かしている。その視線の片隅に今日の主役でもある篠崎海さんとお兄ちゃんの姿もある。でも篠崎さんもお兄ちゃんも淡々とした様子で、その周りはヒートアップしているのに、三人だけが静かだった。
「おはようございます」
そんなリズの挨拶と共に私も荷物を持って、その雑踏の輪に入る。口々におはようとは言ってくれるけど、それは、上滑りだった。緊張感で漲り、自分の事で精一杯の雰囲気は異様だった。今までいくつもの修羅場のような場面に遭遇したけど、ここまでモデルとカメラマン、そして、周りの雑踏との温度差を感じることはなかった。
「海斗の準備が出来次第、撮影に入る」
「はい」
リズと私は篠崎さんとお兄ちゃんと一緒に控室に使うための簡易テントの中に入ると、篠崎さんは自分の着ている服をサッと躊躇いもなく脱ぎ去ると用意された薄手の白のシャツを羽織りながらニッコリ笑った。
「この時間からこれ一枚じゃ寒いな。でも、透き通るような青さが欲しいなんて言われると仕方ないかな。聖が妥協してくれるとは思えないし」
「終わったら、海の好きなスープを準備させますので、思いっきり身体を冷やしてもいいですよ。川に入れと言われなくてよかったじゃないですか」
気温の上がり切ってないこの時間にシャツ一枚で撮影に臨むのは大変だろう。でも、篠崎さんもお兄ちゃんもそれが当たり前だと思っているようだった。
「おはようございます」
そんなリズの挨拶と共に私も荷物を持って、その雑踏の輪に入る。口々におはようとは言ってくれるけど、それは、上滑りだった。緊張感で漲り、自分の事で精一杯の雰囲気は異様だった。今までいくつもの修羅場のような場面に遭遇したけど、ここまでモデルとカメラマン、そして、周りの雑踏との温度差を感じることはなかった。
「海斗の準備が出来次第、撮影に入る」
「はい」
リズと私は篠崎さんとお兄ちゃんと一緒に控室に使うための簡易テントの中に入ると、篠崎さんは自分の着ている服をサッと躊躇いもなく脱ぎ去ると用意された薄手の白のシャツを羽織りながらニッコリ笑った。
「この時間からこれ一枚じゃ寒いな。でも、透き通るような青さが欲しいなんて言われると仕方ないかな。聖が妥協してくれるとは思えないし」
「終わったら、海の好きなスープを準備させますので、思いっきり身体を冷やしてもいいですよ。川に入れと言われなくてよかったじゃないですか」
気温の上がり切ってないこの時間にシャツ一枚で撮影に臨むのは大変だろう。でも、篠崎さんもお兄ちゃんもそれが当たり前だと思っているようだった。